この記事では、
理系大学生/大学院生だが、文系就職(一般就職)を考えている人向けに、
後悔の無いよう就活を進めるために必要な考え方、価値観をお伝えします。
就活をすると、思っている以上に自分の考えていることを面接などで深堀りされます。
また面接対策のためだけでなく、その考え方というのは、将来のキャリア選択や生き方にも影響します。
貴重な新卒キップを使うのですから、自分の本心が求める環境に行くため、考え方や価値観が重要になってきます。
※就活業界ではよく「就活の軸」とか「マインド」とか言いますが、同義だと思ってください。
- 文系就職で出てくる自己分析が上手くできない。
- 自分のやりたいことがわからない。
- 就活の軸が見つけらない。
そんな方にピッタリの記事です。
最後までお読みいただき、少しでも前向きに、気楽に就活を進められるようになれば幸いです。
「価値観」の定義
主な読者は理系の方だと思いますので、まずは言葉の定義からお話ししたいと思います。
この記事における「就活の価値観」を、
「自分が幸せに生きていくための考え方」
と定義(読み替え)します。
皆さんなら学生時代の私のように、「幸せ」という言葉に胡散臭さ、多少の嫌悪感を覚えるかもしれませんが、結局人生で重要なのは、自分の「幸せ」だったりします。
こればかりは科学的な根拠は無いし、非常に哲学的な曖昧な概念で申し訳ないのですが、定義としてはこうさせてください。
もちろん、スピリチュアルの話をするつもりはありません。
信ぴょう性を持たせるため、幸せに関する名言をご紹介します。
『幸福は人生における意味と目標であり、人間存在の究極の目的である。(アリストテレス)』
“Happiness is the meaning and the purpose of life, the whole aim and end of human existence.” Aristotele
働き始めると、今と同じように幸せを感じらなくなる
では、どんなときに「幸せ」を感じるのでしょうか。
もちろん、100人いたら100通りの答えがあります。
「親友とおしゃべりするとき」「家族と団欒のひととき」「一人でいる趣味の時間」など色々です。
あなたの幸せな時間はいつでしょうか。思い浮かべてみてください。
しかし、これから社会人になると、今まで当たり前だった幸せな時間は、仕事に奪われてしまいます。
友達や家族とはなかなか会えなくなり、趣味に費やす時間も減ってしまいます。
仕事が生活の、人生の大半の時間を占めるようになってようやく、仕事選びの大切さがわかるのです。
そうならないように、仕事でも幸せを感じられるようにする必要があります。というより、自分が幸せを感じられるような仕事をする必要があります。
大半の人が望まない仕事をしている世の中ですが、幸い理系の皆さんは一般の人よりも少し幅広い選択肢を持っています。
理系の専門を捨てたことを無駄にしないよう、少しでも自分の幸せを実現できるような仕事に就けるよう、よく考えていきましょう。
仕事における幸せ
この記事では、「幸せ」全般を語るいわゆる幸福論の話はしません。
しかし、仕事における幸せとはなんでしょうか。
社会人を経験した私は、以下のような状態が仕事における幸せだと思います。
「自分のやりたいことを認識していて、それを実際にやっている状態」
仕事を選ぶ上で、たくさんの軸が出てくると思います。
待遇、勤務地、勤務時間、大手/中小/ベンチャー、風通し・・・
しかし、そのどれが満たされても、自分の好きなことをやっていないといつか腐ってしまいます。
そして、「本当にやりたいことはこれじゃない」と転職することになります。
転職が悪ということではもちろんありませんが、転職を繰り返すと大きく心身が消費されます。
なるべく少ない回数で理想の仕事に辿りつけるに越したことはありません。
好きなこと・価値観を探す
では自分の好きなことや価値観は、どのように探していけばいいのでしょうか。
これを見ている多くの人は理系の学生さんで、専門性を生かした研究職には進まずに、何らかの理由で文系就職の道を考えている人が多数かと思います。
実際に私も同様の経験をしていますが、いざ大学3年の途中から就活が始まるとかなり孤独だったり、情報源が少なかったり、これまでの学生生活で就活に繋がるようなことをしていない自分に気づいたりします。
やりたいことや価値観なんて無いよ!というあなたへ
私もそうでした。
後々気づいたのですが・・・これは完全なるインプット不足によるものです。
自分が望むものがわからないのは、自分が望まないものやどうでもいいものすら知らないからです。
少し厳しく聞こえてしまいますが、そして自分の耳も痛いですが、就活で使うための人生経験が不足しているということです。
ここで勘違いしてはいけないのが、単純な人生経験が浅いというわけではなく、就活でキャリアを考える上での経験や、それを考えるきっかけがたまたまこれまでの人生で少なかっただけ、ということです。
ですので、自分を卑下したりする必要は全くありません。
自分の価値観を形にする
あなたが自己分析で何も思いつかないからといって、あなたが空っぽの人間ということではありません。
自分を言葉で表すための表現や概念そのものを知らないだけです。
自分の目に見えない価値観を形にするために、インプットをという光を当ててみます。
そうすると、色々と見えてきます。
ちなみに、インプットにより自分が乗っ取られることを恐れる人もいるかもしれませんが、そんなに人間は単純ではありません。
取り込んだインプットは、自分なりの形としてあなたの財産となり、あなたの価値観に少しずつ影響を与えていきます。
新しいインプットの取り入れ方
幸い、便利な世の中ですので色々な方法で新しい世界観に触れることが出来ます。
以下では、就活で “使える” 価値観が身につく方法をご紹介しますが、当然これ以外にもたくさん道はあります。
留学・旅行
海外で全く異なる文化に触れることで、今までの常識はぶっ壊されます。
出来れば留学の方がいいですが、それが出来なければ学割を利用して短期旅行をするのでもいいと思います。
そして私がおすすめするのは、できる限り一人で行くことです。
「自分探しの旅」という言葉がありますが、私はあながちあの言葉は的を得ていると思っていて、
異文化・異世界で経験することで人生観が変わったという人は多くいます。
社会人になってから海外旅行に行き、「こんな世界・考え方があるんだ」と知って後悔する前に、少しでも異文化を知り、自分の思考の枠を取っ払ってみてください。
インターン
ベンチャーなどの中~長期インターンでは、社員と同じ仕事を、同じスピード感で体験することができます。つまり、一瞬だけ社会人と同じ環境で同じように働けるのです。
(こちらの記事でも書いてありますが、大手企業でよくやる1dayとかの「企業紹介インターン」ではなく、長めのスパンで給料が発生したりするような長期インターンがおすすめです)
インターンの良いところとして、実際に働く社員と話す機会があるという点があります。
就職をしてから困ったことや後悔していることなど、自分が就活生をやっている限りは知りえない情報も見聞きすることができます。
自身の将来の働き方を考える際、インターンに行かないと考えつかないような判断軸や、大人の事情を学ぶことができます。
読書
上記2つはなかなかハードルが高いですよね。
時間やお金が無いという方は、経験を読書で買うことをオススメします。
実体験とは違うので実際の外の世界をよく知ることができるという面では弱いですが、色々な思考や概念に深く触れられるという点では、上記2つに勝るツールだと思います。
就活をするからといって就活本を読む必要はなく、ただ漫画や恋愛小説だとあまり就活には活かせないので、普通の小説や自己啓発本、現代の有名人の自伝みたいなところであれば、何でもいいと思います。
私はお金や仕事というものに関して全般的に知識が無かったので、そういった書籍を読み漁りました。(オススメを下記の掲載します)
改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学
価値観を認識する
インプットを取り込んだら、今度はそれを自分に映してみます。
以前はそもそも存在さえ知らなかった概念が、すでに頭に浮かんでいると思います。
新しい世界で、新しい考え方に触れた瞬間からなんとなく気になっているものがあるはずです。何か引っかかるものがあれば、どんどん掘り下げていきましょう。
もし無ければ、前のステップに戻り、インプットを増やしてみてください。
この先、どんな風に生きていきたいか、どんな風に働きたいか、どんなことがしたいか。
それらの理由や背景も一緒に考えられるようになるはずです。
例えば、就活前に米国留学をしたAさんは、現地で人種・性的マイノリティの人々の苦難に触れ、留学前は考えもしなかったLGBTに興味を持つかもしれません。
そう思ったのは、Aさんが「世界的にマイノリティへの理解を深めたい」からなのか「1個人として弱い立場にいる人を助けたい」からなのかはわかりませんが、留学の経験から以前は気づかなかった自分の欲望「~したい」が表に出てきています。
また、『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んだBさんは、会社員として雇われの身になるのではなく、自分で100%裁量をもって働くフリーランスの生き方を志すようになるかもません。Bさんは、「雇われで働きたくない」という「したくないこと」が分かった上で、フリーランスも含め他にどのような職業があるのか探す道が開かれています。
このように、新しい経験や知識に触れることで、往々にして自分のしたいこと、したくないことが分かってくるようになります。
自己分析は必ず言語化する
自分の考え方がある程度固まってきたら、自分の言葉で説明できるようにしましょう。
先ほどのAさんの例であれば、「なんとなく人助けがしたいから」だけではなく、「世界中のマイノリティの人々への理解に貢献したい」という風に、具体的な言葉にします。
価値観は一度固め、必要に応じて修正すればOK
私もそうですが、完璧主義の人はここで「ああでもない、こうでもない」とバシッと書けなかったりします。
しかし、ここでくじけてしまうと「もういいや」ということになりかねないので、インプットがもう少し必要であれば1ステップ戻り、ある程度もやもやが存在しているのなら、一旦形にしてしまいましょう。
仮でいいので一つ価値観を固めて、必要に応じて修正すればOKです。
理系ならではの強みを混ぜる
これまでは、文系も理系も同じです。
ここで、理系ならではの強みを合わせて考えていきましょう。
ある程度固まった価値観、やりたいことを見渡すと、自分の出来そうなことか、そうでないかがわかると思います。
また企業は一般的に、理系学生のことを勤勉で数字や論理に強いと考えています。
一方で、コミュニケーションやビジネスに必要なリーダーシップに欠けるとも考えています。
こういうところも含めて、うまくアピール&フォローしていけたらいいですね。
例えば、理系学生だがコミュニケーションや文章作成、処理が得意であるとアピールできれば、面接官にとっては良いサプライズになるはずです。
また、自分のやりたいことに対して、理系的なアプローチが出来なさそうな場合は、正直にそう伝えることも重要です。
無理に理系学生の強みを前面に出す必要はありません。
【重要】やりたいこと→できることの順で考える
重要なのは、「やりたいこと→できること」の順番で考えるということです。
大半の人はできることから考えて、その中でやりたいことはないか探します。
就職という未知の世界に対して、最初から自信たっぷりに何でも出来るという人は少なく、自分は何も出来ないと過小評価する人がほとんどなので、できることから考えてしまうと選択肢はかなり狭まってしまいます。
理系は特にそれが顕著で、理系だから営業は無理とか、理系だから論理的思考が活かせるインテリなポジションじゃなきゃもったいないとか、最初から門戸を狭めるような考え方になってしまいがちです。
そうではなく、理系だからこそ、最初は広くインプットを取り込み、そこでやりたいことが見つかってから、自分の強みを生かせそうなもの、できそうなものを探していく方が、より答えに近づきやすいのです。
理系だからこそ自分の半端な専門性に邪魔されないよう、自分のやりたいことをしっかりと見つけるべきです。
そして、何度も後ろを振り返ってしまうような選択はしないことです。
そうでないと、後悔に繋がってしまいます。
就職エージェントに助けてもらう
また、上記の自己分析でどうしてもつまづいてしまう場合や、インプットがすぐに取れないという方は、就活のプロである就職エージェントに手伝ってもらうのがいいと思います。
見知らぬエージェントに自分の素性を明かすのはなかなか恥ずかしいですが、就職エージェントは求人紹介だけでなく自己分析から面接対策などを無料で行ってくれる神サービスなので、今から登録して少しずつ利用していくのをお勧めします。
※参考 キャリアチケットの上手な使い方
就職エージェント「キャリアチケット」の評判・口コミ・実績のまとめです。またメリットや特徴、面談予約方法、上手な使い方を紹…
まとめ
- インプットを増やしてから、価値観ややりたいことを探す
- 価値観は具体的に言語化する
- 最後に理系の視点から考えてみる
最後までお読みいただき、ありがとうございました。