こんにちは、Yoshiroです。
この記事は、
「どちらの進路も魅力を感じないので、どうしたらいいか迷っている」
「文系就職したいけど、理系を捨てるのはもったいないなあ…」
そんな方向けに書いております。
※理系学生とは、理数系、工学系、薬学系など、文系以外の学科全般を指しています。
都立進学校から早稲田理系に進学した私が、
なぜ院・研究職に進まず、学部卒で一般就職、いわゆる文系就職をしたのか
またその結論に至るまでにどんなことを考えたのか、お伝えしていきます。
結論からいうと、
「理系にこだわる必要なし。」
です。
こちらを掘り下げていきたいと思います。
そもそも理系にこだわる理由はあるか
理系に縛られなくていい
理系に進んだ人は研究者・専門職になりたくて入った人と、そうでない人がいます。
前者はやりたいことが最初から明確で、大学の勉強も目的をもってやってきた人です。
一方後者は、
「別に研究に生涯をささげなくてもいいけど、大学で勉強するなら理系がいいな」
のようなノリで理系学部に入学しただけで、理系のキャリアを歩むことはそこまで想定していない人ですよね。
そういう人がいざ社会に出ようとすると、なぜか
「これまで理系として数学とか化学とか頑張ってきたし、それらが活かせるとこに行きたい」
「大学で文学やら商学やらを勉強してきた連中とは、一緒に働きたくない」
「ここまで頑張ってきたのに、遊んでばっかの文系と一緒になるとか苦痛」
のような、妙なプライドが湧き上がってきます。
確かに、我々理系は自分たちが実験や授業に忙しくしている間、バイトにサークルに飲み会に悠々自適な生活を送っている文系学生を見てきたわけですから、気持ちはわかります。
ですが、学部卒の理系が身についてる知識ってそんなに深いものではありませんし、
重要なのは今まで何をしてきたかではなくて、これから何がしたいかです。
自分の視界が狭まってしまうような過去に囚われる必要はないとは思いませんか。
理系科目を仕事にする熱量があるか
そもそも、自分の研究や勉強を愛していますか?
Yes!と即答出来なければ、好きでもない狭い研究分野で食っていくのは苦難の道です。
「研究職は安泰」というのは事実であるものの、その安泰とは結果を残してこれた人にとってはの話です。サイエンスの最先端で結果を残すには、相当な熱量が必要であり、そんな熱量がありますか?という話です。
僕にはありませんでした。恐らく私のような人は、この記事には辿りつかないと思います。
自分がこれまで頑張ってきたことの中に、一生をかけてやりたいことが無いか探すことは重要です。
ただ、見つからなかった場合は、他に目を向けることも考えてよいと思います。
その時点で無いものは無いですし、時間が経ってから見つかるものもあります。
中途半端な理系就職は危険
加えてこれは余談ですが、研究者としてやりたいことが曖昧なまま、無理に学部卒で理系就職をしても、2年間プラスで研究をしてきた院生には負ける可能性が高いです。
よく理系就職で、「学部卒と院卒はフェアに見ますよ」と言われますが、2年間の差によって、面接での説得力や研究内容の厚みに差が出てしまいます。
研究者としての道を選ぶ場合は、確固たる研究職への自信、意欲があり、また院進学できない特別な理由が無いのであれば、院まで進んでから就活をする道をおすすめします。
ここで、
「理系が文系就職をして一般企業に行ったところで需要あるの?」
という反論もあるかと思いますが、むしろ母体数の少ない理系の方が需要が高いです。
もちろん、面接対策など最低限の努力は必須ですが、面接後、企業担当者に「理系ということもあり〜な点が良かった」など、理系が評価されることが本当によくありました。
私が説明するまでもないですが、昨今は割と様々な企業に理系ニーズがあり、特に金融系やコンサルなどでは顕著です。
金融に関するしては、こちらの関連記事でも紹介しています。
また、こういう人もいるでしょう。
「コミュ力が足りません」
これは研究職と文系就職の判断材料にはなりません。コミュ力の定義にもよりますが、体育会系のように明るくハキハキしているという意味なら、営業に行かなければいいだけです。
内勤ではある程度同僚とのコミュニケーションが必要ですが、研究職に行ったところでそれは変わりません。ですから、コミュ力は何とかしましょう。
1つめの理由をもう一度繰り返すと、
- 重要なのはこれから何がしたいか。過去に囚われる必要はありません
- 文系就職市場での理系のニーズは高い
次に私が重視したのは、待遇面です。
そこまで給料が良くない
一概には比較できません。しかし、一般に研究者は普通にそこそこ豊かに暮らせるものの、そこまで収入は上がりません。
自分でIT系の事業を始めたり、自分のスキルで仕事を取ってこれるなら別ですが、いわゆる研究職やエンジニアは、企業の中で最先端の研究をしつつ、自社システム/商品の開発をしていきます。
その場合、給料は普通の文系よりちょっといいくらいです。正直、同じ学歴なら、就活の方法によっては文系の方が断然稼げます。
ただもちろん例外はあります。文系は職種が無限にある分、給料が青天井のものもあれば、いわゆるブラック企業など全然稼げない仕事もあります。平均すれば大差ないですが、文系の方がより収入のレンジが大きいイメージです。
勤務地
私は数理系でしたので、工場に飛ばされる可能性は低かったのですが、それでもゼロではないという感じでした。
私の工学系の友人は、すべからく地方の工場勤務になってます。ほぼ100%と言っても過言ではありません。
また、地方に飛ばされると言っても、大企業の営業マンと研究者ではだいぶ違います。
営業マンは地方とは言え、人口の密集にする県庁所在地のような都市に飛ばされます。
一方で研究者は、研究所を建てられるような広大な土地、綺麗な水や空気のあるところ(そうでないところももちろんありますが)に飛ばされたりします。
私は東京での勤務を希望していたので、そういった可能性は出来る限り排除したいと思っており、勤務地は割と大きな理由でした。
唯一の心残り
上記を踏まえて、私は文系就職、そして大手の金融機関に就職することを決意しました。
結果的に、今となっては良い選択をしたと思っています。待遇は悪くないし、わりとホワイト企業でのんびりしできています。
しかし、後悔するところはあります。それは、文系就職に決めた理由が、消極的な理由しかなかったからです。
いわば、消去法のように決めてしまったこと。
これは後悔しています。
文系就職したことは後悔していませんが、その過程には後悔があり、
もしかしたらより良い選択肢があったのではないかと思ってしまいます。
以下の記事でも文系就職に関する後悔について書いていますが、
やはり一番大切なことは、「自分のやりたいことを見つけること」です。
理系の道を一旦捨てることに関しては、納得感のある理由付けができたと思っていました。
しかし今思うと、上記の理由には「自分」がいません。
これは断言しますが、就活の意思決定において、
「やりたいこと」や「なりたい姿」が先に来て、あとから待遇や勤務地で迷うべきです。
消極的な理由でした選択には「自分」がいないため、少しでも「思ってたのと違う」という場面が来ると、
100%自分のせいにできません。いわば妥協して選んだ道であるのに、環境や人のせいにしたり、自分でした選択に責任を持てません。
もちろん、自分のやりたいことをやろうと頑張った結果、妥協せざるを得ない進路になったなら別ですが、
最初から一番大事な点で思考停止しているのは大きなミスだったかなと思います。
まとめ
私がもう就職をするなら、理系職か文系職かは考えず、まず最初に「やりたいことが何か」考えます。
その後に、やりたいことが文系就職でしかできないことであれば、上記の理由で正当化すればいいと思いますが、
お気づきの通り、やりたいことが定まっている辞典で、やりたくないことを正当化する理由はそこまで必要ありません。
就活の上で、「やりたいことがある」というのは、最強なのです。